窯元の現在

阿武隈山系の山ふところ、田園風景が広がる大堀地区は、震災前は25軒の窯元が伝統を守り、生産を続けてきましたが、現在は原発事故によって帰還困難区域となってしまいました。

窯元たちも全て県内外に避難し、大堀相馬焼協同組合では2012年夏、二本松市の協力を得て共同利用の工房「陶芸の杜 おおぼり 二本松工房」を開設し、伝統の火を守ろうとしてきました。
釉薬の原料である地元産の砥山石は使えなくなったため、県ハイテクプラザが代用の釉薬を開発、陶土も他県から購入しています。

2014年12月現在、大堀相馬焼共同組合に所属する組合員で県内に工房を新設した窯元は9軒、二本松市に再興した共同窯は現在3軒が利用しています。

窯元たちはそれぞれに適地を探して工房を再開し、新たな歩を進めながら今後のあり方を模索しています。しかし、その一方で多くの方が廃業や休業を余儀なくされています。

伝統文化の継承という視点からも、今後に多くの問題と課題を残していると言えます。浪江町民と浪江町が置かれている現状の一端が、大堀相馬焼にも現れています。

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